目次
分娩第一期の経過の観察
陣痛の緩和をはかり、精神的不安を除去し、安心して過ごせるようにする。異常の早期発見のためよく観察する。
分娩第一期とは分娩開始から子宮口全開大までのことをいう。
破水時の確認事項
- 氏名と年齢
- 予定日
- 初産か経産か
- 破水の時期
- 破水の量
- 胎動、胎位の確認
- 陣痛の有無
- 破水の対処
前期破水…分娩前に破水する場合
早期破水…分娩開始~子宮口全開大の間の破水
※破水すると膣内がアルカリ性になる。
分娩第一期の看護
- 陣痛発作の持続時間と間隔、胎児の心音を測定
- 陣痛間欠時には疲労の回復につとめる。
- 産痛、子宮口の開大の観察
- 仰臥位低血圧症候群の場合、急激な血圧低下を引き起こし仰臥位にて気分の不快がある。
すぐに左側臥位にする。
精神的援助
- 産婦を一人にしない、マッサージや会話など不安の除去につとめる。
- 分娩の経過を報告。安心させ激励する。
分娩第一期の体位、睡眠
- 分娩第一期の初期では産婦がリラックスできる体位でよい。
- 複式呼吸法等を指導、確認。
- 腹圧をかけない体位で過ごす。
- 陣痛間欠時に睡眠できるよう準備をしておく。
疲労回復ができないと微弱陣痛になりやすい。
分娩第一期の食事
無理の無い程度に食事をとる。消化の良いプリン状の食事など。(食べすぎると嘔吐など)
水分補給はこまめに行う。
分娩第一期の排泄
2~3時間ごとに排泄を促す。膀胱、直腸などから圧迫をうけると分娩の妨げとなる。
自然排尿が困難な場合導尿を行う。
分娩第一期の観察ポイント
状態の観察
バイタルサインの確認。3~4時間ごとに観察する。
陣痛の観察
陣痛発作の持続時間、間欠時間、強さを観察する。子宮底に手を当てて観察する
児心音の観察
陣痛発作時の児心音を観察する。
産婦は仰臥位にして、両脚をのばして腹壁と子宮壁を密着させ測定。
トラウベかん状聴診器、超音波ドプラー装置。(正常:120~160/分)
分泌物の観察
分娩進行に伴い、頚管粘液が混じって粘調性をおびる。
早期破水、異常出血(粘調性のない血液)に注意する
胎児の状態確認
レオポルド触診法
- 子宮底の高さ・形・胎児を確認
- 胎位、胎向、胎勢、羊水を確認
- 児頭を確認
- 先進部の進入程度を確認
分娩前の看護
- 経過の観察
- 不安を取り除くようコミュニケーションをとる
- 呼吸法のレクチャーを行う
- 陣痛の程度の確認
- 発作の時間(間隔)をタイマーで確認
- 体位の補助
- 水分、栄養の補給
- 3~4時間ごとの排尿
陣痛の緩和方法
- 複式呼吸
- 声を出す
- マッサージ
- 圧迫法
分娩室への移動する時期
初産…子宮全開大
経産…6~8mm開大 初産より少し早めに