一時的導尿

一時的導尿についての目的、手順、留意点、必要物品、観察ポイントについてまとめます。
導尿は自然排尿が困難である場合や尿閉の改善、手術や出産時などに行われる。無菌尿の採取→検査、膀胱内の治療など。

目次

一時的導尿の目的

  • 排尿障害(8~12時間以上の排尿が無い場合)の改善
  • 残尿の排出
  • 無菌尿の採取→検査、膀胱内の治療

一時的導尿の留意点

  • 無菌操作を徹底して行う。(二次感染、尿路感染の予防)
  • 粘膜を損傷しないよう行う。
  • 水分摂取量の把握
  • 患者の了解と協力を得て、プライバシーに配慮する。

一時的導尿の必要物品

滅菌物品

  • カテーテル
  • 鑷子
  • 潤滑剤
  • ガーゼ
  • ゴム手袋

その他

  • 防水シーツ
  • 綿毛布
  • 消毒用綿球
  • バスタオル
  • 尿器
  • 膿盆
  • 検体容器
  • 懐中電灯(必要であれば女性の場合)

一時的導尿の手順

①患者に導尿を行うことを伝え、同意を得る。カーテンなどでプライバシーを保護する。

②手洗いをする。

③患者の体制を整える。

  • 寝衣は下半身だけ脱ぎ、タオルケットをかけ掛け物をはずして足元に扇子折りにする。
  • 防水シーツと処置用シーツを腰の下に敷く。
  • 患者は仰臥位で膝を立て、開く。

④物品の配置、準備

  • 足の下に尿器を用意する。
  • 滅菌導尿セットを操作しやすい位置に置く。
    ※滅菌物の上を汚染物が通らない様、同線に配慮する。
  • 滅菌手袋を装着する。

⑤尿道口の消毒

  • 消毒用綿球の準備をする。
  • 女性の場合、尿道口から肛門方向に向かってに拭く。
  • 男性の場合、尿道口~亀頭の周囲を円を描く様に拭く。
    ※消毒用綿球は1回ごとに捨て膿盆に捨てる。

⑥カテーテルを挿入する

  • カテーテルの先端に滅菌潤滑剤をつけ、反対側は尿器に挿入する。
  • 患者には口呼吸で全身の力を抜いてもらう。
  • 男性の場合、陰茎を垂直に持ち上げ、15cm~20cm程度挿入する。
男性 膀胱内留置カテーテル
  • 女性の場合、外陰部のひだを広げて、尿道口からやや斜めに4~6cm程挿入する。
女性 膀胱内留置カテーテル
※女性の場合、尿道口、膣口、肛門などがあるためよく確認して挿入する。

尿管・膀胱・尿道の構造と機能

⑦尿の排出

  • 尿の排出が認められたら、そのままの位置に保持する。
  • カテーテルの末端は尿器内の液面に触れない様にする。
  • 尿の排出量が減ってきたら、下腹部膀胱あたりを圧迫する。
  • 患者に残尿感、苦痛などないか確認する。
  • 尿の排出が終わったら、カテーテルを静かにはずし、尿道口とその周辺を消毒する。
  • カテーテル内に残った尿を尿器へ流す。

⑧後片付けをする

  • 物品を取り除き、尿器に蓋をし、片付ける。
  • 患者の体勢、掛け物、寝衣を整える。

一時的導尿の観察ポイント

  • 排尿障害の随伴症状の観察
  • 下腹部膨満感
  • 自尿の有無
  • 挿入時の不快感、痛み(女性の尿道は4cmであり、深く入れすぎると膀胱内を損傷する)
  • 血液や浮遊物の有無
  • 残尿感の有無
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