
目次
術前看護
身体的・精神的に最良の状態で手術を受けられるように、術前には看護師、主治医、麻酔医などによって術前オリエンテーションや処置、検査を行う。
手術前の看護ケア
- 手術に向けての身体状態の観察、改善
- 身体の清拭や入浴、爪切り、口腔ケア 清潔を保つ
- 手術部位の清潔、剃毛
- 手術前の不安や恐怖に対する援助
- 不安が強い場合、前日に睡眠薬を与薬
- 術後に生じる生活上の制限に対する準備
- 合併症予防のための方法と訓練
- 浣腸、下剤の与薬と禁飲食の指示、説明
- 術前一般スクリーニング検査と追加検査
- 術前検査結果の整理
- 執刀医からの説明、術前訪問
術直前のケア
- バイタルサイン測定
- 洗面
- メガネ、コンタクトレンズ、指輪、時計、ピアス、義歯をはずしておく。
- 術衣に着替える
- 排尿、浣腸など指示のあった処置
- 導尿カテーテルの挿入
- 麻酔前与薬
- 酸素ボンベの準備
- 手術室への移送と申し送り
術後の看護
ベッドの準備を行う
- 酸素ボンベ
- 吸引器
- モニター
- 点滴スタンド
- 必要時電気毛布
静かにベッドの移動する。十分な人数で危険の無いように行う。
帰室後観察
麻酔が覚醒するまでは15分ごと、その後も定期的に15分~1時間間隔でバイタルサイン、全身状態の観察を行う。
酸素吸入、気道確保:仰臥位にして枕を外す。顔を横に向け吐物の気道への誤嚥の予防、吸引、エアウエイの挿入。呼吸抑制時は人工呼吸器の使用。
- 呼吸状態 … 呼吸数、深さ、呼吸音を観察し、呼吸抑制、気道閉塞に注意する。
- 麻酔覚醒状態
- バイタルサイン
- ドレーン類、チューブ類の観察
- 手術創の状態
- インアウトバランス
イン…輸液・輸血量
アウト…尿量、ドレーン、チューブ排液量、ガーゼ汚染量など - 術後合併症の有無
- 疼痛コントロール
- 家族へのオリエンテーション
- 早期離床を促す
手術室看護
直接介助
無菌操作のもとで手術に必要な機材の準備、術者の介助を行う。
手術の方式、手順、機材の用途や使用方法、清潔、不潔の概念を熟知し短時間に円滑に手術が行われるよう正確な手技を身に付けなければならない。
間接介助
手術全体を把握し看護する。
手術室の環境、温度湿度の調整。患者の受け入れ病棟との調整を行う。
全体の流れ、進行状況を常に把握し円滑に手術が進行するようにしなければならない。
麻酔の介助を行う
麻酔医の介助や緊急時に備えて薬物や機材の準備を行う。
手術に必要な体位の準備を行う。
術野の露出が十分かつ、必要最低限であり体動によってずれない様適切に固定する。
圧迫されやすい部位はクッションなどで保護する。
神経麻痺の予防。
手術中は全身状態の観察、麻酔医の支持による輸液、輸血を行い、出血量、尿量の測定をし、麻酔医に報告をする。
無影灯の調整、機材、物品の補充。切除された臓器や腫瘍の検査室への提出。