目次
精神活動に影響を与える要因

下記4つの喪失を体験することが多く、それによって精神的エネルギーを低下させてしまう
心身機能の喪失
視力の低下・筋力の低下・難聴 等
経済的基盤の喪失
定年などのより職を失う
社会的関わりの喪失
友人を失う・活動範囲の狭小・社会活動への意欲低下
生きる目的の喪失
子供が成長したことにより存在感が薄れる・配偶者との別離
精神活動の低下・停滞
不安
不安が強いと、身体的症状などの訴えが繰り返されることが多い
心気状態(心気症)
自分の病状について過度のとらわれや不安を持った状態
不安を表現できなかったり、抑制するとなることが多い
抑うつ
何もする気にならなかったり、意欲がなくなる
些細な事で心配するようになる
無為・無関心
- 無為・・・ 自発性が欠如する
- 無関心・・・自分に関わることには鋭敏に反応するがそれ以外には興味、関心を寄せない症状
看護のポイント
- 受容的な対話によって不安を取り除く
- 支持的態度や行動でいたわり、患者のペースを大事にする
- 耳を傾け希望を受け入れる
- 観察と薬物の使用
- 家族や他の専門職との連携
せん妄状態と看護
せん妄とは…
急性の一時的な脳の機能低下によって、軽度または中程度の意識混濁を基板とし、認知障害や精神活動の変化が起きた状態のこと。
せん妄の原因
- 極限性または広汎性の脳疾患
- 二次的に脳に影響を及ぼす脳以外の身体疾患
- 薬物や化学物質による中毒
- 常用薬物の離脱
- その他(心理的ストレス・断眠・感覚遮断・感覚過剰・身体の不動化など)
せん妄状態の種類と症状
- 過活動型……(行動・活動が活発で興奮して落ち着かない状態「不穏」な状態)
- 活動低下型…(意識が混濁状態であるが、行動・活動が不活発で「おとなしい」状態)
- 混合型………(上記2症状が混在して現れる状態)
夜間せん妄は日中は活動低下型、夜間は過活動型の状態になる。
過活動の代表的な症状は、落ち着きの無さ、幻視・幻覚、不眠、見当識障害、暴力行為などがある。
せん妄状態の看護のポイント
- 身体要因の除去
- 環境の安定性の保持
- 家族へのケア
- 薬物療法
入院環境の安定性の保持
- プライバシーが保護されるように配慮する
- 可能な限り窓からの太陽光を取り入れできれば窓からの景色も見れるようベッドを配置する
- 照明や室温をできるだけ患者の希望に合わせる
- 不快な刺激を減らす。(騒音、機材音、アラーム音、話し声 等)
せん妄状態のまとめ
せん妄になると、しっかりしていた方がまるで別人のようになってしまいます。
それを見たご家族はとてもショックを受けます。
しかし、せん妄は決して患者さんが気が変になってしまったのではなく、病気や時にはお薬によって体の状態が変化して起こる「意識障害」なのです。
つまりせん妄には必ずその原因があり、改善できればせん妄は治ります。
上記に上げたケアを正しく行えるようしっかりと看護していきましょう!!