妊娠各期の母体変化

妊娠各期の母体変化、母体に起こる生理的変化、子宮底の長さ、大きさなどの変化について。子宮底長の算出目安、子宮の大きさなどについてまとめます。

目次

子宮底の長さ、子宮の大きさの変化

子宮底長の算出目安

妊娠前期(~5ヶ月):月数 × 3 (cm)

妊娠後期(6ヶ月~):月数 × 3 + 3 (cm)

例:妊娠7ヶ月であれば 7×3+3=24cm となる。

子宮の大きさ

1ヶ月:鶏卵大 7cmほど

2ヶ月:鷲卵大

3ヶ月:手拳大

4ヶ月:新生児頭大

5ヶ月:小児頭大

母体に起こる変化・生理的変化

妊娠すると卵巣から分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加する。このプロゲステロンの影響で基礎体温は高温期が続くが16週頃には下降して落ち着く。

[5~6週頃] つわり症状が出るが12~16週頃に軽減する。

[12週頃] 乳輪のモトゴメリー腺より水溶液分泌物が排出されることがある。(乳房の圧迫によるもの)子宮膣部のリビド着色が見られる。

[14週~16週] 胎盤が完成する。

[18週~22週] 経産婦は胎動を自覚する。(初産であれば1~2週ほど遅い)20週~23週でほぼ100%の妊婦が自覚する。

  • 妊娠後期には急激な皮膚の伸展による妊娠線がみられる場合が多い。
  • 妊娠初期からプロゲステロンが腸管の運動を抑制し、子宮増大による圧迫によって便秘になりやすい。
  • エストロゲンなどのホルモンの影響で帯下(おりもの)が増加する。(無色透明から白色、淡黄色の帯下) 血液が混じったりする場合は受診。
  • 腹部の皮膚が引き伸ばされるとともにエストロゲンの影響で肌が乾燥しやすく掻痒感が増強する。(中期~末期)
  • 妊娠に伴う便秘、子宮による静脈の圧迫、骨盤内の鬱血、出産時の怒責により、痔を生じやすい。(妊娠末期~産褥期)
  • 子宮増大のため、横隔膜および、肺の挙上により呼吸数が軽微の上昇、呼吸性アルカローシスとなることがある。
  • 妊娠中には基礎代謝が亢進、耐糖能の低下、尿中への糖の排泄増加が見られる。
  • 正常妊娠の場合、体重の増加は7kg~12kgである。(BMI 18.5~25.0未満)
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