肝臓、胆道関連の検査基準値[入力用紙付き]

肝臓、胆道疾患による検査値の見方について。ウィルス性肝炎、急性肝炎、慢性肝炎、劇症肝炎、肝硬変、肝がん、肝不全、胆石、胆道がん、などについて検査値所見についてまとめます。

目次

ウィルス性肝炎

急性ウィルス性肝炎では、ALT ↑↑

黄疸が出現することが多い。

A型肝炎

経口感染による発症。
A型肝炎の初期ではIgMのHA抗体が検出される。
A型肝炎のCK値は正常を示す。

B型肝炎

B型肝炎の初期にHBs抗原が検出される。
慢性肝炎への移行、さらに肝細胞がんを発症することもある。

C型肝炎

輸血後肝炎はHCVによる発症。
治癒率が低く、慢性化し、慢性肝炎、肝硬変を経て治療が長期化し原発性肝がんを発症することもある。

急性肝炎

急性肝炎では、AST ↑↑ALT ↑↑LD ↑↑ が顕著である。

ALPの値は軽度の上昇である。

慢性肝炎

B型、C型によるウィルス肝炎であるものが多く、持続的感染を示す。
自己免疫性肝炎(ルポイド肝炎)では、γグロブリンが高値を示す。

劇症肝炎

肝炎発症後、8週間程度で肝障害による死亡など予後不良な重症肝炎である。

早期診断には血中アンモニア、脳波を観察する必要がある。

アルコール性肝炎

アルコール代謝の亢進によりγ-GTP ↑↑ を示す。

肝硬変

肝硬変末期では、黄疸、腹水、出血、肝性昏睡、血中アンモニア値の上昇などを示す。

chE(コリンエステラーゼ)、総コレステロールは低値を示す。

プロトロンビン時間の延長、活性化部分トロンボプラスチン時間が延長する。

肝がん

肝細胞がんでは血清chEが低値を示す。

原発性肝がんでは血清PIVKA-Ⅱが高値を示す。

胆石症

診断には腹部超音波検査が有用である。

AST、ALT、ALP、γ-GTP が高値を示す。

胆道がん

閉塞性黄疸の原因となり、血清ALPが高値を示す。

胆道の閉塞では総コレステロールが高値を示す。

肝臓、胆道関連の検査基準値 便利入力シート

病院実習などで肝・胆道疾患の患者さんの検査値推移を管理できます。

検査値データ入力

肝・胆道に関連する検査値の基準値と疾患による異常値が表にまとめてあります。
右側には日付や検査値データの入力欄、薄い方眼になっているのでグラフ化して管理することができます。

A4印刷用の検査値入力シートです。

印刷用A4  (PDFが開きます)

小さなメモ帳などに貼りたい場合は50%縮小印刷で切り取って使ってください。

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