子宮復古の観察とケア

子宮復古のための観察とケア、子宮復古ケアの手順、悪露の観察、確認のポイント、子宮復古のためのケア、保健などについてまとめます。子宮復古とともに褥婦がセルフケアを行えるよう支援する。

目次

子宮復古の観察

子宮復古とは、分娩終了後に子宮は急速に回復し、6~8週間後には妊娠前の大きさと正常な位置に復帰すること。

子宮復古の観察

子宮復古過程が順調に経過しているかどうかを経時的に観察、アセスメントする。
褥婦が子宮復古のためのセルフケアを行えるよう支援する。

産褥期とは

産褥期とは、分娩終了から生殖器系が正常へ回復するまでの6週間程度の期間のこと。
退行性変化である子宮復古過程が順調に経過しているか否かの観察が重要である。

子宮復古ケアの必要物品

  • ゴム手袋
  • 巻尺
  • はかり
  • 産後ナプキン

子宮復古ケアの手順

  1. 排尿後、褥婦には仰臥位、両膝を立ててもらう。
    根拠:排尿前だと、膀胱が充満していると子宮位が上昇し、正しい位置が測定できない。
  2. 手袋をはめ、子宮底を触診し、子宮硬度を確認する。
  3. 柔軟である場合、輪状マッサージを施し、硬度が良好であるか観察する。
    ※ このとき、外陰部からの流血の有無も観察する。特に分娩直後は頚管裂傷・膣壁裂傷との鑑別をするために流血の持続の有無、出血の色を観察する。
  4. 恥骨結合上縁を確認し、その部分を基点として巻尺の「0」を合わせる。
  5. もう片方の手で子宮底を触診し、両脚を伸ばしてもらった状態で巻尺を合わせ、子宮底長を測定する。
  6. あてていたナプキンの重さを量る。
    ※ 悪露の色・臭気を観察する。

子宮底部の輪状マッサージ

子宮底部の輪状マッサージ

悪露の観察

悪露の観察
  • 赤色:鮮血。血液成分が多く含まれる。
  • 褐色:ヘモグロビンが変性し、褐色を呈する。
  • 淡黄色:血液成分が減少し、白血球が主体となる。
  • 白色:白血球が減少し、子宮腺分泌液が主体となる。

悪露の観察、確認のポイント

  • バイタルサイン測定
  • 後陣痛の有無
  • 顔色、疲労感の程度、有無
  • 授乳状況(早期授乳、頻回授乳の有無)
  • 排便、排尿の回数。食事状況など
  • 分娩状況の情報収集、妊娠歴、分娩歴、合併症の有無、子宮の形態異常・位置異常の有無、分娩様式、分娩所要時間、分娩時出血の程度、児の体重

子宮復古のためのケア、保健

  • 子宮底部の輪状マッサージとは、子宮筋を刺激して、子宮収縮を促進させるマッサージである。
    分娩直後の子宮収縮不全の防止に有効である。
  • 排尿・排便を定期的に促し、膀胱・直腸充満からの圧迫による子宮収縮不全を防止する。
  • 早期離床を促し、悪露の貯留による子宮収縮不全を防止する。
  • 早期授乳と頻回授乳によりオキシトシンの分泌を促進させ、子宮収縮を促す。
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