目次
静脈内注射の目的
- 静脈内に直接薬液を注入する方法である。
- 皮下注射、筋肉注射よりも速い効果が求められる場合、静脈内に薬液を直接注入する。
静脈内注射の必要物品
- 指示簿
- 薬剤
- 注射器
- 注射針(SB針、20,30G)
- アルコール綿
- ビニールシーツ
- 処置用シーツ
- 駆血帯
- 肘枕
- ディスポーザブル手袋
- 絆創膏
- 注射トレイ
- 膿盆
- 医療用廃棄ボックス
静脈内注射の留意点
- 生体への直接的な影響、痛みを伴うため患者への説明、承諾を得てから始める。
- 薬効作用は迅速、強力に作用するため、副作用を起こす場合を考慮しよく観察する。
- 静脈内に大量の空気が入ると、肺塞栓を起こす危険がある。
- 注入時には患者の状態を観察しながらゆっくり注入する。
静脈内注射の手順と根拠
1.指示簿の記載内容をよく確認する。
誤認防止のため、患者氏名、部屋番号、薬剤名、濃度、容量、用量、日時、方法 を確認する。
2.患者への説明
副作用、過敏症などの確認。患者の理解と承諾を得る。
3.無菌操作で薬剤を注射器に準備する。
感染予防のため。ディスポーザブル手袋をする。
4.血管の走行を確認して刺入部位を決める。
5.上腕の刺入部位より5cmほど上に駆血帯を締め、注射部位を怒張させる。
刺入時に針がひかからないように。
血管がはっきりしない場合は蒸しタオルで温める。
6.患者の親指を中にして手を握らせる。
静脈が怒張しやすくなり、血管を見えやすくする。
7.アルコール綿で刺入部位を消毒し、乾くまで待つ。
乾燥させることで消毒効果が増す。
8.刺入部位の皮膚を伸展させる。
皮膚を伸展させることで血管へ針を刺しやすくする。
9.10~20°で刺入する。
10.血液がシリンジ内へ逆流することを確認してから駆血帯をはずす。
駆血帯をはずすことで薬剤が血流へ流れ込む。
11.静かに薬液を注入する。
薬剤の血中濃度は急激に上昇しやすいため、ゆっくり注入する。
12.注入が終わったら、静かに針を抜きアルコール綿で止血する。
しっかり圧迫する。→内出血の防止
13.抜いた注射針は医療廃棄ボックスを捨てる。
感染防止のため。
静脈内注射の観察ポイント
- 患者への静脈内注射への説明、承諾を得る。
- 薬剤の確認。患者自身に氏名を名乗ってもらう。
- 注射時の体勢に無理のないような体位をとり、安全に行う。
- 薬液注入後は患者の状態をよく観察する。副作用出現の早期発見。