目次
温罨法の目的
- 体温低下、悪寒のある患者への保温
- 腹部膨満感の緩和、排便・排尿の促進
- リラクゼーション、入眠促進、精神的安定としての効果
- 局所の血管拡張により血流、新陳代謝の促進、筋肉の緊張や拘縮を和らげる。
- 腹部や背部・腰部への温罨法:排便・排尿の促進
- 疼痛、炎症組織部の代謝促進→疼痛の緩和
温罨法の留意点
- 炎症の急性期、出血傾向、知覚麻痺、血栓症、消化管穿孔や閉塞がある場合。
- 身体よりも高いものを貼布するため熱傷に注意(通常は10分程度)
- 貼布中、貼布後、発汗があれば清拭を行う。
温罨法の必要物品
- 湯たんぽ(カバー)
- 水温計
- タオル類
- ゴム手袋(厚手)
- お湯
- ピッチャー
- 洗面器
- バスタオル、ビニール布など
- 皮膚保護剤(オリーブ油、ワセリンなど)
温罨法:湯たんぽの手順
- 患者に、温罨法の必要性を説明し、同意を得る。
- ピッチャーに湯を入れ60~80度程度に温度を調整する。
- 湯たんぽに1/3~2/3ほどお湯を入れ、空気を抜いて栓をする。
- 漏れがないか確認する。
- 水分を拭き湯たんぽカバーをつける。
- 目的部位に設置し、観察を行う。
温罨法:温湿布の手順
- 患者に、温罨法の必要性を説明し、同意を得る。
- 洗面器に70℃前後のお湯を準備する。
- 4つ折りにしたタオルを湯に湿らせ、硬くしぼる。
- しぼったタオルを洗面器に準備し、患者の安楽な体位をとる。
- 貼付部位を露出し、皮膚保護剤などを塗る。
- 看護者の前腕内側などでタオルの温度を確認する。(70℃→40~45℃に冷めているとちょうどよい)
- 温度が高すぎる場合はタオル広げるなどして調節する。
- 目的部位に貼付する。
- 貼付したタオルの上からビニール布、油紙などをあてがいその上からバスタオルで包み、布団をかける。(タオル温度の降下を防ぐ)
- 10分程度貼付
- 貼付後、皮膚の状態を観察。
- 皮膚温が下がる前に乾いたタオルで水分をふき取る。
温罨法の観察項目
- 貼付中~後の皮膚の状態(発赤、痒み、疼痛の有無)
- リラクゼーション、入眠促進、安楽としての効果が得られたかどうか
- 排便・排尿の促進効果があったかどうか。貼付後の排ガス・排便の有無。