新生児仮死の予測
- 胎児心拍モニターや胎児超音波検査で、胎児仮死の兆候が認められる場合
- 吸引分娩、鉗子分娩、帝王切開などを行う場合
- 骨盤位分娩、回旋異常などの場合
- 羊水過多・過少などや、胎児奇形が予測される場合
- 在胎37週未満の早産児、推定体重2500g未満の低出生体重児
- 母体合併症、妊娠中毒症、胎盤早期剥離または妊婦が抗痙攣剤、抗凝固剤、麻酔剤などの特殊薬剤を使用している場合
新生児仮死の判定
アプガースコアによる判定
- 皮膚色
- 心拍数
- 反射興奮性
- 筋緊張
- 呼吸
などによって点数を算出する。
1~3点…重症仮死
4~6点…中軽症仮死
7~10点…正常
分娩室での蘇生のステップ
保温・吸引・刺激・酸素投与・人工呼吸・気管内挿管・心臓マッサージ・薬剤投与
分娩器具の準備
保温器、温かい包布・O2(マスク、アンビュー、気管挿管の準備)
吸引の準備(8~12Fr)・ステート・人工呼吸器・胃管(6~8Fr)・薬剤(メイロン、ボスミン、ブドウ糖液、滅菌蒸留水、生理食塩水など)
※必要な機器は普段から点検、整備を行い、いざというときにすぐに使えるようにしておく。
蘇生処置の実際
新生児の状態の把握・刺激
皮膚刺激を与える。(20~30秒)
足底を叩く、背中を下から上にさする など。
NG:逆さにする、背中やおしりを叩く。
→アプガースコアによる判定を行う。
保温・吸引・酸素投与
移動時に体を冷やさないよう注意する。
インファントウォーマーのスイッチを入れる。
O2と吸引の準備を行う。
一人が状態の観察をし、もう一人が口腔→鼻腔の順で吸引を行う。
吸引が終了したら、O2の投与を始める。
気道確保・人工呼吸・胃内吸引・心臓マッサージ
下顎を持ち上げ、頸部を伸展する。
アンビュー、ジャクソンリースを用いて行う。
※マスクのサイズが合っていないと酸素を送れないため、合ったものを用意する。
※60回/分のペースで行う。
※アンビューバッグは一定の圧で送ることが可能だが、ジャクソンリースは圧の調整が難しく肺を傷つける可能性があるため、日ごろから練習しておく。
マスクで送った空気が胃に入ると正しく酸素が肺に送れないため、胃内の空気の吸引をする。
心臓マッサージを行う。(1~2cm沈むくらい押す。両乳頭を結び一横指下、120回/分)
状態の好転がみられない場合は医師が挿管、蘇生薬の投与を行う。
NICUがない場合は専門の設備がある病院へ移送する。