褥瘡とは体重で圧迫されている場所の血流が悪くなり、局部が赤味をおびたり、炎症、または欠損、水疱、さらには筋肉、骨組織に損傷を及ぼすこと。
褥瘡は活動性の減少、低下、知覚・認知障害などによる圧迫からの発生、または外的要因、内的要因からの組織耐久性低下によって発生する。
加齢による皮膚の脆弱性、摩擦やズレ、長時間の同部位への圧迫、浮腫、皮膚疾患や薬剤による影響、などにより血流が圧迫され褥瘡が発生する。
目次
褥瘡の分類
ステージⅠ | ステージⅡ |
消失せず、 |
部分欠損、水疱など |
摩擦・ズレによる | 水疱内の最適治療、環境保持 オプサイト貼用 水疱が破れた場合、ハイドロサイト ゲーベン軟膏塗布+ガーゼ・オプサイト保護 |
ステージⅢ | ステージⅣ |
全層損傷 | 全層組織欠損 骨、腱、筋肉の露出を伴う |
ゲーベン軟膏塗布, ガーゼ・オプサイト保護 | 壊死組織除去 医師による外科的デブリードマン |
褥瘡部ケア手順
- 原則として消毒をしない。
- 創を微温湯で洗浄。古い壊死組織はよく湿らせたガーゼで静かに擦り、除去
- 乾いたガーゼまたはティッシュで創周辺の水分を軽く押し拭くように取り除く。創部の水分は残しておく。
- 薬物、被覆材の選択
- オプサイトで保護し、貼用時の日付を必ず明記する。
ハイドロサイト手順
- 創部より1~2まわり大きく(1.5cm~3cm)、健康な皮膚も被覆できる大きさに切る。
- 白色面を直接創面に被覆する
- オプサイトで固定する。
- 背面層から浸出液の吸収状態を観察し、端から1cmまで広がった時期を目安に交換する。
体位による褥瘡の好発部位
仰臥位
側臥位
褥瘡の予防
スキンケアによる皮膚の保護
褥瘡発生要因の外的要因を取り除き保護するためスキンケアを行う。
外的要因
- 摩擦・・・身体を移動させるときに皮膚の表面がベッドに擦れる現象。
- ずれ・・・ギャッジアップを行い、患者が足下方面にずり下がった時に見られる接触面に沿った圧迫の現象
- 湿潤・・・尿・便失禁、発汗などによる湿潤で皮膚のバリア機能が損なわれた状態。
スキンケアのポイント
外的要因の状況をアセスメントし、要因を除去し謙譲な皮膚の機能を保つ。
摩擦予防
ギャッジアップのポイント
- ベッドのギャッジアップの角度は30°以下に。これ以上角度を上げると上体がずり落ち、仙骨、尾骨部に摩擦・ズレが起こる。
- 身体がずれないように、下肢側から頭側の順にギャッジアップする。
- ギャッジアップ後は、一旦ベッドから上半身が離れるように起こし背部に起こったずれと寝衣のしわを伸ばしておく。
- ギャッジアップ後のベッドを水平に戻す時もずれは生じる。水平に戻ったら、患者を側臥位にして背部のずれを解消し、寝衣のしわを伸ばす。
体位変換のポイント・・・患者の身体を引きずらない。