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分娩第二期の看護
分娩第二期とは子宮口全開大~胎児娩出までをいう。
陣痛の頻度(2~3分ほど)、強度が増大し腹圧も加わる。
共圧陣痛ではいきみ(腹圧)が自然に加わるようになる。
分娩第二期の所要時間
初産…2~3時間
経産…1~1.5時間
分娩室での体位
ファーラー位かセミファーラー位にする。
陣痛が長引く、微弱陣痛、過強陣痛や過強腹圧の場合、経過を見て側臥位をとらせる。
呼吸法、腹圧のレクチャー
■ 呼吸方法
娩出期には2回深呼吸ののち息をとめてなるべく長くいきむ。
息が続かない時は息つぎをする。
いきみが終わったら深呼吸をして通常呼吸にもどす。
児頭が目視で確認できたら、短促呼吸に切り替える。
口を開き「ハッハッハッハッ」
発露…陣痛間欠時であっても児頭が見え続ける状態
■腹圧のかけ方
- いきむ時は肛門に向かって力をいれるイメージ。天井に向けて上へいきむ。
- 児頭が発露状態となるまでは陣痛発作と同時に十分腹圧を加えさせる。
- 間欠時のうちに深呼吸~通常呼吸にて全身の力を抜く。
- いきみの時に口が大きく開いていると力が抜けるため、口を閉じていきむ。
- 発露以後は会陰保護する場合、腹圧を停止し短速呼吸させる
分娩進行の観察
破水時の注意
通常の破水は子宮口全開大の時期の前後にみられる。
子宮口全開大より前の破水を早期破水という。
羊水の性状、色、量、血液の有無など観察を行う。
児心音の観察
頭位での胎便混入は胎児機能不全の可能性があるため、児心音数や強弱に注意する。
分娩室での看護
- 産婦を一人にしない。
- 基本的には仰臥位で行う。
- 発汗により失われる水分を補給する。口渇を防ぎ体力の消耗を抑える。
- 胎児心拍モニターの装着、確認 ※必要に応じ呼吸の指導
- 進行状況を鏡等を用いて妊婦に説明する。
- いきみの途中で嘔吐することがあるため、膿盆を用意しておく。
- 不随意による排尿は児を汚染する可能性があるため、尿意を確認しておく。
※自然排尿が困難である場合は導尿を行う。
一時的導尿 - 胎児娩出後は、臍帯の拍動がおさまったら速やかに切断する。
- 児と母体の状態を確認する。