重症心身障害者(児)に接して

重症心身障害者(児)に接して–療養センター訪問実習での感想文です。療養センターにて実習でのできごと、利用者さんとのコミュニケーション、一般の病院にはない工夫や実際に現場で働く時の注意点など。

療養センターにて実習を行った三日間の中で、何よりも印象に残ったのが、全ての利用者さんが病衣やトレーナーではなく、それぞれ個性的なシャツや洋服を着ていたことでした。また、前開きのシャツではなく、上肢に変形や拘縮のある利用者さんでも、通常のTシャツを着用していました。歴史の長い施設の場合、どうしても介護者の効率優先になり、利用者の着ている服は介助しやすい前開きを選ぶケースが多いと思うのでが、当センターでは利用者さんの個性を優先されていて、本当にすばらしいと感じました。

実習初日、まず利用者さんが多く集まるデールームにてコミュニケーションを取るように伝えられ、いざその場に行ってみると言語的なコミュニケーションが可能な利用者さんは非常に少なく、最初は戸惑いました。しかし、手を握り目を見つめながら話しかけると、笑顔や、中には恥ずかしがる表情を見せてくれたりと、非常に表情豊かで不安な気持ちは自然と消えていきました。中でも膝枕が好きな利用者さんが印象に残りました。後で指導者さんから話を伺ったところ、小さな頃にお父さんがよく膝枕をしておられたそうでそれが記憶に残っているのではないということでした。言葉に出せなくても幼少の頃の思い出が心の片隅に残っているのだということを改めて感じることができました。

他にも毎日のように利用者さんの刺激となるような催し物やイベント、リハビリが行われており、スタッフの皆さんが利用者さんに家族のように接している姿には心から感激をしました。

一般の病院にはない工夫もたくさんあり、例えば利用者さんの体型に合わせた車椅子や、乗車時の体位を写真に撮ってパウチしてあったり、口腔ケアの際に吸引を行いながら歯磨きができる特殊なブラシを用いていたり、オムツ交換にリハビリの先生が参加していたりと、驚かされることの連続でした。

今後、自分自身が看護師になり、現場で働く事になったときに、同じように患者さんに接することは様々な問題から難しい部分もあると思います。しかし、できる限り患者様のQOL向上に目を向け、患者様中心の看護を行っていけるように、今回感じた気持ちを失わないよう努力していきたいと思います。

参考:感想文レポートの書き方

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参考動画:重症心身障害

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