急性肝炎
A型肝炎
A型肝炎ウイルス(HAV)に感染して発症。
経口感染(カキなどの魚介類で感染する。)ワクチンがある。症状は黄疸など。慢性化しない。
B型肝炎
B型肝炎ウイルスに感染して発症。潜伏期間1ヶ月~6ヶ月。
感染経路
- 水平感染…性行為、輸血、臓器移植、針刺し事故
- 垂直感染…母子感染(経胎盤、経産道、母乳)
- 出産後48時間以内に抗HBsヒト免疫グロブリン(HBIG)投与
- 2ヵ月後、再度HBIGとワクチンを投与
- 生後3ヶ月で再度ワクチンを投与
- 生後5ヶ月目に再度ワクチンを投与
慢性化 → 肝硬変 → 肝臓癌
HBe抗原(+)の人からは30~40%感染してしまう。
ワクチン
- 生ワクチン…生きた細菌やウイルスの毒性を弱めたワクチン。麻疹、風疹、おたふく等 免疫がつきやすい。
- 不活化ワクチン…ホルマリンで不活化したワクチン。ヒブ、肺炎球菌、日本脳炎、B型肝炎、インフルエンザなど。免疫がつきにくい。
ブースター効果
1~4週間 | 6ヶ月後 | ||
⊥ | —————⊥– | ———————— | ⊥ |
1回目 | 2回目 | 3回目 | |
免疫が記憶する | ↑記憶が蘇る |
C型肝炎
C型肝炎ウイルス(HCV)に感染して発症。潜伏期間:2週間~16週間。
感染経路:輸血、注射、針刺し事故、刺青などの血液感染
検査:GOTやGPTの値が上がる。HCV抗体を調べる。
ウイルスの外郭が次々と変異するため、ワクチンが作れず排除できない。
慢性化 → 肝臓の瘢痕化 → 縮んで硬くなる(肝硬変) → 門脈圧亢進症、肝臓癌
治療法
目的…慢性肝炎の沈静化、肝硬変や肝臓癌の阻止。
インターフェロン治療
D型肝炎
血液感染だが、B型肝炎ウイルス感染者にしか感染しない。
E型肝炎
シカ、イノシシの生肉、豚肝から感染する。まれに重症化する。妊婦の場合、重症化しやすく劇症肝炎となる場合もある。
劇症肝炎
肝性脳症、肝性昏睡 → 血漿交換(1日40パック 5~6時間) 延命するだけで完治しない。
門脈圧亢進症
症状
- 門脈圧上昇
- ヒトタンパクを造れなくなり、血液中の水分があふれ出る。→浮腫・腹水
- 出血が止まらなくなる。易出血。
- 代謝障害 → 肝性昏睡
- 門脈圧上昇 → 逆流 → 食道静脈瘤
アルコール性肝障害
アルコールの過剰摂取 → 脂肪肝 → γ-GTP上昇
肝臓癌
治療方法
手術、抗がん剤、ラジオ波(3cmまで)による治療。
※肝臓は10%が働いていれば生きていける。10%以下になると黄疸が出る。 → 非代償性肝硬変
胆嚢の疾患
胆石症
エコー検査にて検出。
胆嚢炎
胆石が原因でおこる。
胆管炎
重症。
胆管が化膿すると急性化膿性胆管炎(高熱・黄疸・エンドトキシンショック)
胆嚢癌
早期発見はまだ少なく手術成績も悪い。
胆管癌
合流障害が起こると膵液が総胆管に逆流してしまう。
膵臓の疾患
膵炎
- 急性膵炎…アルコールや胆石症によって起こる。アルコールの場合は禁酒、胆石症の場合は胆嚢摘出。
- 慢性膵炎…多くはアルコールによって起こる。
- 自己免疫性膵炎…自身の膵臓を攻撃する因子が体内に出現して起こる。
膵臓癌
消化器ガンの中でも最も予後が悪い。
早期発見が困難でさらに進行が早い。
急性膵炎
胆石などで詰まったりすると流出が阻害され、自己消化が起こる。
カレン徴候、グレイターナー徴候がおこる。
慢性膵炎
糖尿…インシュリンが出なくなる。
低血糖…グルカゴンが出なくなる。
禁酒が原則