看護学生レポート » 病態生理 » 大腸がんの病態生理       

このページでは看護学生時代の学生レポートを載せています。間違った情報が載っていることもあります。コピペ提出はおすすめしません!

大腸がんの病態生理

大腸がんの病態生理について、大腸癌取り扱い規約による分類、結腸がん、直腸がん、検査、治療、術後の合併症、大腸がん患者への看護などについてまとめます。

【解剖生理疾患レポート】腸・腹膜の疾患

大腸がんの病態生理

大腸がん、粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜

大腸がんは粘膜内で発生し、深部へと進行する。粘膜から粘膜下層、固有筋層、漿膜、腸壁への深層へ向かって浸潤・伸展していく。

がん浸潤が粘膜内に貯留するか粘膜下層あたりに留まる状態で発見されるものを早期がん。

固有筋層以上に達したものを進行がんとして分類する。

大腸癌取り扱い規約による分類

発見された大腸がんの進行程度を数字で表したもの。

0型 表在型
粘膜または粘膜下層まで
Ⅰ型 隆起腫瘤型
塊状となり腸の内側に出ている
Ⅱ型 潰瘍限局型
腫瘍の中央が陥凹、正常組織とがん細胞の境界がはっきりしている
Ⅲ型 潰瘍浸潤型
より崩れていて正常な粘膜との境界がはっきりしないがん
Ⅳ型 びまん浸潤型
がんが周囲に広がり境界がわからないがん
びまん浸潤型,大腸がんの分類
Ⅴ型 分類不能

大腸癌の進行度をあらわすステージ分類

進行度は、腫瘍の大きさ、深達度、他臓器への転移、リンパ節への転移の有無などで表現する。
国際的には「Dukes分類」、「TNM分類」が用いられる。

ステージ0ステージⅠステージⅡステージⅢ、Ⅳ
大腸癌の分類 ステージ0 大腸がんの分類 ステージ1 大腸がんの分類 ステージ2 大腸がんの分類 ステージ3
粘膜内に留まる
早期がん。
固有筋層にまで
進行する。
固有筋層を超え、
周囲に広がる。
腸壁の外側、
リンパ節への転移、
他臓器への転移

大腸がんの転移は血行性転移にて肝臓へ達する。ある程度大きくなると肺などに転移する。
その他、腹膜、骨盤内のリンパ節への転移がある。

発生部位によって症状が異なり、右結腸がん、左結腸がん、直腸がん に分けられる。

大腸がん

右結腸がん

管腔が広く内容物が流動的であるため、狭窄は起こりにくく無症状で経過することが多い。
はじめは右側腹部に軽度の腹部痛を訴え、慢性虫垂炎として診断されることがある。
進行して腫瘍が大きくなると腫瘤の触知、下痢、黒色便、体重減少、貧血などの症状が現れる。

左結腸がん

左結腸では、内容物が固形化してくる場合が多いため、便秘、狭窄症状、下痢症状が出る。
便秘が続くと内容物が腐敗、発酵して下痢となり、便秘と下痢を繰り返す。
やがて腸閉塞となり、穿孔して腹膜炎となることもある。
S字結腸がんでは左下腹部異物感、疼痛、鮮血便が見られる。

直腸がん

上部直腸では管腔での狭窄、内容物も固形化しているため便秘、便柱狭小(便が細くなる)。
下腹部膨満感、交換性便通異常、貧血が見られる。
下部直腸では排便時の鈍痛や不快感、粘血便が見られる。

大腸がんの検査

便検査

便潜血検査。管腔内からの出血の有無を確認する。

直腸指診・肛門鏡検査・直腸鏡検査

腹部触診にて、腹部の痛みや違和感の有無を確認。直腸診では、肛門に指を入れて硬化している部分、突起などの確認。

画像検査

【二重造影法】

肛門からバリウムと空気を注入し、X線写真を撮影する。管腔内の狭窄部位などを確認する。

【腹部単純X線】

【超音波検査】

大腸がんと大腸周辺の臓器との位置関係や転移の有無を確認。超音波内視鏡検査など。

【CT・MRI検査】

内視鏡では見ることができない臓器(肝臓や肺など)への転移の状態を確認。

内視鏡検査

肛門から内視鏡を挿入、大腸の状態を確認する。がんの確定診断が可能。注腸造影検査では発見が難しい早期のがんを観察できる。
検査中にポリープが見つかった場合、そのまま切除することも可能。

腫瘍マーカー

大腸がんではCEA、CA19-9、p53抗体などの腫瘍マーカーを用いて血液検査をする。

大腸がんの治療

手術療法が治療の中心となる。
患者の全身状態、転移や浸潤の程度により化学療法(切除が難しい場合)、免疫療法、放射線治療などを行う。

ポリープや早期がんは内視鏡的ポリープ摘除術が可能である。
内視鏡では困難な大きなポリープや早期がんは腹腔鏡手術で切除する。

遠隔転移や藩種が著しく摘除できない場合、出血や狭窄の症状を和らげるため、吻合術やストーマ造設術(人工肛門)、結腸瘻造設術などの手術を行う。

術後合併症

縫合不全、出血、腸閉塞などがある。
その他、ストーマによる皮膚の炎症や排便障害など。

大腸がんの看護

術前の看護

  • 注腸検査前日は低残渣食とし、大腸の洗浄を行う。
  • 狭窄が強い場合は腹痛、閉鎖症状、通過障害が悪化することがあるため、検査前の下剤内服に注意する。
  • 下血が続いている場合は貧血状態を把握しておく。
  • 栄養状態を改善し、腸管の清浄化と腸内容物の除去によって、縫合不全の予防を行う。
  • リンパ節浸潤に伴う、自律神経障害により排尿障害、排便障害や性機能障害が起こることを説明しておく。

術後の看護

  • 死腔や吻合術に挿入されたドレーンの管理を行い、出血の有無、排液の性状、量、臭気の観察。血圧下降・頻脈・脈圧低下などに注意。
  • ストーマの合併症(壊死、陥没、皮膚炎、狭窄)の予防と異常の早期発見を行う。

ストーマ造設後のケア

  • ストーマの観察、直腸貯留機能や肛門括約筋の障害、排便知覚神経の損傷による周辺の皮膚状態(色調、浮腫)、排便、排ガスの観察を行い、早期離床を促す。
    正常な色調は桃色~鮮紅色
  • 永久ストーマの場合、身体障害者認定が受けられることを説明する。
  • 食品は腸内で発酵しやすいものや繊維の多いものを避け、腸に刺激の少ない消化のよい食品を選び、下痢や便秘に注意し排便コントロールを行う。
  • 装具の交換は皮膚保護シートの剥がれ具合を見て判断する。
    交換の際は腹壁を伸展させて行う。
    種類によるが、短期の場合は2~3日に1回、中期の場合は3~5日に1回行う。
    縫合状態、出血の有無と程度、発赤・びらん、潰瘍の有無の確認。
  • 浣腸排便法では、浣腸液をストーマから逆行性に注入する。
  • ベルトなどでストーマを圧迫しない服装にする。
  • 就学、就労などの社会復帰については医師と相談し、行う。
    便秘に注意し腹圧のかかる運動や重労働は避けるよう指導する。

recommend